Keynote
今回のDrupal Camp DENの Keynote はAcquia Labsで DIRECTOR OF RESEARCH AND INNOVATION を務められているPreston Soさんでした。とても気さくな方で、僕の拙い英語を一生懸命聞いてくれて、また周りの仲間も通訳してくれてとても感謝してます。以下はプレストンさんの新著。
Decoupled Drupal in Practice - Architect and Implement Decoupled Drupal Architectures
Keynote では Decoupled Drupal でラボでの成果を披露してくれた。その中でも一番興味深かったのは(また彼も重要と言っていた)最後のチャプターで、Decoupled Drupal とコンテンツ編集のこれからについての話だった。WEB の大半が善意と好奇心で構成されていた時代にティーンエイジを過ごして来た者としては、この先 WEB がどの様に発展して行くのかは非常に興味を惹かれるテーマである。
具体的には、Drupal と Alexa の様なオーディオインターフェースの機器やチャットインターフェース、VR、MR、Apple Watch の様なスモールスクリーンから、インタラクティブな案内板の様なラージスクリーンまでの、現在の様な WEB ページ中心では無いコンテンツの編集についてのアイデアをたくさんあるひとつとして紹介してくれた。
質問と主張
彼はあくまでコンテンツ編集の未来の形のひとつとして例を挙げてくれたのだけど、HTML と分離したはずの Drupal が再び先ほど挙げたデバイスごとに結合している様な編集画面の図表だったので、「これは再び Drupal とそれぞれのデバイスに対するビューが結合してしまっていないか?Drupal のコンテンツ編集の未来はこの方向なのか?」と質問した。
回答いただいた中で、既存のコンテンツ編集者に配慮してのことという趣旨のコメントがあったこと、また本来的には複数のデバイスであっても編集体験としては単一のインターフェースが望ましいということを聞けたのが Acquia Labs らしい仕事だなと思えてとても良かった。ここで質問は時間切れで、後で話そうと言ってもらえたので遠慮なく話しかけさせてもらった。
僕の主張は Drupal の最終的な CMS の進化の方向は、1.schema.orgの様にあるいはそれに基づいてコンテンツを定義しパブリッシュすること。2.そのままだと無限に広がるスキーマのリンクをコンテキストに合わせてガイド(フィルタや重み付け)つまりデザインができる様になることではないかと話したつもり(多分伝わらなかった。。。)前半の schema.org の事については良いんだけど、大変なんだよ的な事を言われていたと思う。またそのあたりの作業は AI に手伝ってもらうのがいいよね、という話でも同意してもらった。
持論とまとめ
ドキュメントのリンクから始まった WEB は、小さなデータ同士の繋がりとなり、今まさに具体的な製品となって我々の日常に浸透してきている。この流れは止まらないし、そのためのコンテンツ管理のソフトウェアとしてDrupal は非常に重要な位置にいると思う。それぞれが信じるより良いウェブのために Drupal があるいは Drupal のコミュニティとしてできることやっていきたいと思う。そういう風に改めて思えた、DrupalCamp DEN はとても良い集まりだった。来年もスタッフあるいは登壇者として盛り上げられるよう頑張っていきたい。
おまけ
HTML や CSS はリッチになりすぎた。将来、スキーマが完全に定義され現在 WEB デザインと呼ばれているものはオプションになり、コンテンツへのアクセスは WEB ブラウザも現在の Alexa の様な画一的なインターフェースが標準になるのではと思っている。例えるなら、Safari や Pocket のリーディングモードは WEB ページから装飾を取り除いたものがメインのウィンドウにあり、そのコンテキストにおいて重要なリンクが表示されているかもしれない。